Never See The Turminus

タイトルは京都のバンド「The Lions」から拝借しました。終着点を見つけられないような生活をしている私ですが、日々気に入った音楽のことを書いていきます。

メロディックの影響

ロディックパンクは詳しくないけど、今のバンドで最も意識しているジャンルなので、今から挙げるバンドからおすすめを教えてもらいたいものです。

 

The Miles Apart

イタリアのバンド。バンド名のとおりMega City Fourのフォロワー。伸びやかな声とミドルテンポで聞かせる曲も多いとこが好き。1stに入ってる「You」、これだよこれって感じ。

 

Mega City Four

UKメロディックで一番好き。とにかくメロディが最高。初期がかっこいいけど、後期になるとTeenage Fanclubばりのさわやかギターポップになるのも良い。好きな曲は「Start」、「Pride And Prejudice」、「Miles Apart」、「Ticket Collector」、「Stop」など数知れず。

 

Leatherface

大御所の中で一番かっこいい。ツインギター!ドライブ感がだんとつですよね。ボーカルの声も用唯一無二。Mushというアルバムは全曲聴く価値あり。特にNot A Day Goes ByとSpringtime。簡単なリフの繰り返しに揺さぶられる。

 

Jawbreaker

ざらっとしていて渋い。初期派と後期派で分かれがちだけど、自分はどっちも良さがあっていいと思う。Dear Youは最初聴いた時コード進行が意味不明でNirvanaみたいと思ったけど、これこそがJawbreakerの真骨頂なのかも。再結成おめでとうございます。幾年ぶりのSave your Generationはしびれますね。

 

Broccoli

最初聴いた時は暗い曲ばっかで良さがわからなかった。一周回って良さがわかった。これも渋い。拳あげたくなる感じ。

 

Senseless Things

ぱっと聞きでメロディック感あんまりないけど、パンクロックとして直球な感じが好き。ベースのフレーズがすごい。Too Much Kissingは過小評価の名曲。ボーカルがかわいい(男だけど)

 

Hooton 3 Car

まさにメロディックって音だと思った。地味という人もいるみたいだけど、こじんまりまとまってる感じがこのバンドの魅力だと思う。

 

Hot Water Music

この中で一番最初に知ったバンド。男らしさがよい。

 

Eversor

The Miles Apartの前身バンド。メロディーや曲全体の印象があんまり残らないけど、ギタープレイと展開はこっちのほうが好き。特にギタープレイはかなり影響受けた。

 

Servo

女ボーカル。ハイテンポでゴリゴリのメロディックサウンドなのにボーカルがかわいい感じっていうのが耳に残る。ギターがとにかくめちゃくちゃかっこいいし曲がよい。これも影響受けた。ギターの人がやってたGanもかっこいいけど、曲が割と普通だから自分的にはこっちのほうが好き。

 

Driveway Speeding

普通。でもこの普通感が自分の好み。CD音源だとギターがあんまりひずんでないのも良い。オープンコードが多くて他のバンドよりハードさがない演奏も好み。多分1作(ミニアルバム?)しか出してないしかなりマイナーなバンドだけど、このミニアルバムが全曲良い。

 

 

 

 

2017よく聴いたアルバム10

気付けば2017年もあと1ヶ月で終わりですね。

今年は気に入ったアルバムがたくさん出ました。迷いながらもベスト10を選んだので、紹介させていただきます。やっぱりロックばかりになってしまいましたが。ちなみに洋楽限定です。(あと自分がやってるバンドに近いジャンルは意図的に外しました。)

 

10. (Sandy)Alex G / Rocket  (Rock)

Rocket

Rocket

 

 これは今年すごく話題になったと思います。フィラデルフィアの24歳SSWによる7作目?です。若いのに多作家ですごい。私は今作で初めて知りました。そんなにヘビロテしてない気もするけど、かなりいい曲が揃っています。


(Sandy) Alex G - Bobby (Official Video)

この曲がめちゃくちゃよい。男女のハーモニーがヘロヘロだけど素敵です。この曲はそうでもないけど、アルバム全体としてローファイで、個人的にはNeutral Milk Hotelに近いかな、と思ったのですがどうでしょう?あとサッドコア感もあるな。曲ごとに結構幅広い印象です。他にはSportstar、Powerful Manあたりがおすすめ。

 

9. Julien Baker / Turn Out the Lights  (Rock)

TURN OUT THE LIGHTS [帯解説 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (OLE13032)

TURN OUT THE LIGHTS [帯解説 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (OLE13032)

 

 これも多分話題作。今年は女性SSWが名作揃いです。ほとんどの曲が弾き語りで、恐ろしくシンプルなアレンジなのですが、美しい声と曲展開で惹きつけられます。聴いてて全然飽きない。こちらは21歳。若い...


Julien Baker - Funeral Pyre (Live)

日本盤のボーナストラックのライブテイク。本人が大のデスキャブ好きを公言する通り、メランコリックでエモい。Appointmentという曲はピアノアレンジで、こちらも非心を揺さぶる名曲です。休日の朝に聴くといいですね~。

 

8. Calvin Harris / Funk Wav Bounce Vol.1  (Hip Hop)

FUNK WAV BOUNCES VOL. 1 [CD]

FUNK WAV BOUNCES VOL. 1 [CD]

 

 「世界で一番稼いでいるDJ」カルヴィン・ハリスといえば、「夏」「パリピ」を連想すると思うんですが、「Funk Wav Bounce Vol.1」は一味違って、ヒップホップ中心ですがフューチャーしたアーティストの魅力を最大限に引き出したコアな良作です。Pharrell Williams, Katy Perry, Big Seanとのコラボ曲「feels」なんか最高です。「夏」であることには間違いないのですが。


Calvin Harris - Slide (Official Audio) ft. Frank Ocean, Migos

昨年大名盤「Blonde」を発表したラッパーFrank Oceanをフューチャリングした「Slide」は今年の夏休み、クーラーの効かない実家の部屋で日中ぼーっとしながらずっとリピートしました。チルアウト。

 

7. Los Campesinos! / Sick Scenes  (Rock)

Sick Scenes

Sick Scenes

 

 こちらはイギリスはウェールズのバンド、3年ぶりの新作。昔から好きなバンドですが、今作は非常に意外な方向性を出してきました。


Los Campesinos! // The Fall of Home (Official Audio)

何がリードトラックかよくわかりませんが、私はアルバムの中でもフック的な位置のこの曲が好きでした。元々このバンドはBuilt To Spillにおもちゃ箱的アレンジを加えた楽し気なUSインディーサウンドが特徴でしたが、今作は、この曲以外にもゲットアップキッズライクなI Broke Up In Amarate等、エモよりでストレートな曲が多く、気持ちのよい良作だと思います。5 Flucloxacillinも好き。

 

6. Cloud Nothings / Life Without Sound  (Rock)

Life Without Sound

Life Without Sound

 

 USオハイオのインディーロックバンド。私は正直、3ピースになってハードな曲が増えた前作「Here And Nowhere Else」はあまり好きではありませんでしたが、今回は前作とも1stとも違う素直でポップなギターロックを聞かせてくれて個人的に大当たりです。


Cloud Nothings - "Modern Act" (official music video)

まさにキラーチューン。かっこいいですね。ディラン・バルディのギターはテクニカルではないけど、独特なコードワークが魅力的で、新メンバーとのフレーズの絡みでもそれが活かされています。エモ・グランジオルタナみたいに明確なカテゴライズされる初期と比べて、自分たちの音になってきた気がします。そういう意味で、世間の評価と真逆だけど、今作は最高傑作と言えると思います。

 

5. Turnover / Good Nature  (Rock)

前回の記事のとおりです。省略。

 

4. Fazerdaze / Morningside  (Rock)

モーニングサイド [歌詞・対訳・解説付き]

モーニングサイド [歌詞・対訳・解説付き]

 

Fazerdazeは心地よい8ビートのドリームポップを奏でるニュージーランドの女性SSW。キュートなルックスが素敵です。


Fazerdaze - Lucky Girl (Official Video)

かわいい。聞けばわかると思うので特に解説はなし。


Little Uneasy - Fazerdaze

本当に心地よい曲です。

 

3. Day Wave / The Days We Had  (Rock)

DAYS WE HAD

DAYS WE HAD

 

 これまたドリームポップ。オークランドのマルチ・プレイヤーであるジャクソン・フィリップスによるソロプロジェクト。今回の10選には入れませんでしたが、今年素敵な作品を出した女性SSW、Hazel Englishのプロデュースも手がけました。


Day Wave - Something Here (Audio)

 アルバム1曲目。初期のWild Nothingsを彷彿とさせるシューゲイザーテイストも入った爽やかさが素晴らしい。アルバム全体でも捨て曲がなく、どの曲も本当にかっこいいですね。控えめなギターサウンドとシンセがいいバランスで曲の雰囲気を作っていると思います。


Day Wave - Wasting Time - Shows From Schubas

ライブ映像。アルバム音源は宅録に近い形で行ったと思われますが、バンドアンサンブルで聞いても心地よいです。シンセのアレンジ本当に良い。

 

2. Teen Daze / Themes For Dying Earth (Electronica)

Themes For Dying Earth[ボーナストラック1曲収録 / 解説・歌詞・対訳付]

Themes For Dying Earth[ボーナストラック1曲収録 / 解説・歌詞・対訳付]

 

 エレクトロニカ枠としてはTychoやWashed Outの新作も良かったのですが、衝撃を受けたのはこのTeen Dazeでした。アンビエント、ドリームポップよりのチルウェイブです。


Teen Daze - Themes For Dying Earth (Visual Album)

ヴィジュアル・アルバムということをアルバム全曲聴けるこの動画をご参考ください。初期のTeen Dazeは「明るいTycho」という印象だったのですが、本作はアルバムタイトル通りディープで退廃的なイメージの曲が多いような気もします。気付いたらアルバム聴き終わっている凄い作品。先月発表された本作の続編「Themes For New Earth」も大変良作です。

 

1. Beach Fossils / Somersault

Somersault

Somersault

 

 私にとっての今年のベストアルバムは断トツでブルックリンのインディーロックバンドBeach Fossilsの新作でした。今年の夏は本作あってこそといっても過言ではありません。Beach Fossilsの中でも一番好きになりました。


Beach Fossils - This Year (Official Audio)

リードトラック「This Year」で完全にノックアウトでした。悪く言えば「陰気臭い」これまでのBeach Fossilsのイメージを大きく変えた名曲です。3分弱の曲中、バーズみたいなイントロのアルペジオ、シンプルながら耳に残るベースライン、軽快なボーカル、アウトロのドラマチックなストリングス、すべてがツボ。


Beach Fossils - Down the Line (Official Video)

特に特筆すべきはボーカルだと思います。Sea And Cakeのサム・プレコップを感じさせる軽やかな歌は、今までのBeach Fossilsと比べて力が抜けていて断然に良くなりました。


Beach Fossils - Sugar (Official Video)

やばいでしょこのイントロ。

Turnoverというバンドについて

 ヴァージニア州のインディーロックバンドTurnoverが今年の9月に発表した3rdアルバム「Good Nature」の収録曲「Super Natural」のMVが先日Youtubeにアップロードされました。このTurnoverというバンド、知ってる人も多くいらっしゃるとは思いますが、もっともっと評価されるべき素晴らしいバンドだと最近本気で思うので、この記事を書きます。


Turnover - "Super Natural" (Official Music Video)

 このバンドについては以前から把握はしていたのですが、私が知った当時(多分2014年頃?)は自分自身エモ等の音楽に食傷気味だったこともあり、特に頭には残らなかったのですが、今回タワレコあたりでたまたまこの新作を手に取ってみたところ、「あれ、こんなバンドだったっけ?」という驚きとともにそのサウンドにすっかり虜になってしまいました。今年のアルバムではBeach Fossils「Somersault」の次に聴いている気がします。

Good Nature

Good Nature

 

 本作をカテゴライズすると、雑な括りですがやはりインディーポップ、ドリームポップになると思います。他の記事で書かれている通りReal EstateやBeach Fossils等に影響を受けたと思われる、リバーブの効いたクリーンのギターにロートーンのボーカルが特徴的ですが、全体的な雰囲気としてはDeath Cab For Cutieなんかに近い気がします。私のお気に入りは、M1「Super Natural」、M4「Butterfly Dream」、M8「Breeze」あたりですが、全曲ともに先述のバンドとは似てるようでまた違う独特の空気感があって素晴らしいです。

 さて、いよいよ気になって色々調べてみましたところ、このバンド、「あれ、こんなバンドだったっけ?」と思った通り、かつてのThe Promise Ring、Mock Orangeがそうだったように、大胆な変貌を遂げていたのです。


Turnover - Most of the Time (Official Music Video)

 1stアルバム「Magnolia」に収録されているこの曲を聴くと今でもびっくりしてしまいますが、まさにゼロ年代エモって感じで、私の印象ではCopelandやSundays Bestなんかを思い出しました。今流行ってる所謂狭義のエモリバイバルとは違い、この曲のギターにはオープンチューニングも開放弦を駆使したテクニカルなフレーズは使わていませんし、変拍子もフックになるキメもありません。いささか地味な印象を受けます。それでも、ボーカルのキャッチーなメロディセンスは光るものがあって、これはこれで嫌いではありません。


Turnover FULL SET (Chain Reaction 06.23.2013)

 この時期のライブ映像です。音源と比べて、よりパンク、ハードコアの色が強く見られます。Hey Mercedesぽさもあるかも。オーディエンスにはダイブやシンガロングが見られます。西海岸のエモバンドの一つとして、この頃から一定の人気があったようです。

 

 そこから2年後、Turnoverは2nd「Peripheral Vision」をリリースします。本作は1stのインディー・エモから大きく舵を取った作品で、これが巷では大きな反響を生んだようです。

Peripheral Vision

Peripheral Vision

 


Turnover (Full Set) at 1904 Music Hall

 ライブ映像の1曲目「Dizzy on the Comedown」からもうすでに名曲です。オーディエンスの大合唱がこの曲のメロディーの秀逸さを象徴しています。

 私は「Good Nature」を聴いた後、この動画を見つけて「Peripheral Vision」を入手しましたが、控えめに言っても名盤です。どっかのレビューサイトでは「エモとドリームポップのクロスオーバー」と記述していましたが、まさにその通りではないでしょうか。

 バンドサウンドは、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった(今もそうかもしれませんが)インディーレーベルCaptured Tracks、とりわけWild NothingsやDIIVなどのドリームポップ、シューゲイザーバンドの特徴に近い、空間系が深くかかったクリーンギターのアルペジオを主体としたものに変貌を遂げましたが、メロディーラインはエモーショナルかつメランコリックで、1stで発揮されたメロディセンスがしっかりと残っています。上記の「Dizzy on the Comedown」も他に、M1「Cutting My Fingers Off」、M3「Humming」、M6「Diazepam」、M8「Take My Head」あたりは、特にこのドリーミーなサウンドとエモーショナルなボーカルが見事に融合されています。本当に全曲素晴らしい。このアルバムが発売された2015年には見向きもしなかったことが悔やまれます。

 

 そして、今年9月の新作「Good Nature」を過去の作品と比較して改めて聴くと、音数は減り、バンドとして肩の力が抜けてように感じられ、更に洗練されたサウンドに仕上がっていることがわかります。

 かつて大学生の頃、バンド友達がThe Promise Ringの4th「Wood/Water」を「エモの向こう側」と表現していたのを思い出しました。私にとってこのアルバムもそういう位置づけになりました。


Turnover - "Butterfly Dream" (Official Audio)

 私のお気に入り、4曲目の「Butterfly Dream」です。2本のギターとベースのリフレインの絡みがひたすら心地よく、バッキングギターもドラムフィルインもほとんどないのに全く物足りなさはありません。ボーカルも、どこか陰りを感じますが不思議と口ずさみたくなるメロディーで、個人的にはここにエモの残り香のようなものを感じます。

 


Turnover - Live @ Crescent Ballroom 10/24/2017 (Full Show)

 最後に一番最近のライブ映像を載せてみました。残念なことに、新作の発表前(今年の6月)、オリジナルメンバーであるEricさん(ギター)が精神的な問題のため脱退してしまったそうです。短い期間にこれだけの変化を経験している彼らですから、苦労も多いことと思いますが、今後も頑張ってほしいです。そして、今年の来日公演は逃してしまったので、来年何らかの形で来日することを切に願います。